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技術紹介

技術紹介

Polyester 貝や水牛、ナットまで。変身上手のマルチプレーヤー

石油を原料とした不飽和ポリエステルの樹脂で作られており、液状で常温硬化が可能な為にボタンとして加工しやすい事が特徴です。
1955年にアメリカがポリエステル樹脂を使用して貝の光沢を表現した製造技術を開発。それまで主流だったアクリルに取って代わって、貝ボタンの代用品として日本にも広がりました。現在は日本のみならず、世界のボタンの製造で大きな割合を占めています。
色出しが自由にでき、水牛・貝・ナットと様々な素材の代用品として多様なデザインのバリエーションを見る事が出来ます。それぞれ代用される素材によって製造方法は大きく異なり、アルミのパイプに材料を流し込んで柄を出す方法や、直径1メートル以上の大きなドラムの中に材料を流し込んで、遠心力で層を形成する方法などが代表的です。単体の他にも他の素材との組み合わせで作られているボタンも数多くあります。

ABS 3種のプラスチックの性質を持つ素材

ABS樹脂はA(アクリロニトリル)、B(ブタジエン)、S(スチレン)の三成分の共重合樹脂でアクリロニトリルの耐熱性・剛性・耐油性・耐候性、ブタジエンの弾性、スチレンの光沢・電気的性質・成型性の耐衝撃性などの三つの樹脂の特徴を合わせ持った素材です。
これらの特徴によりメッキ性の良好な事から、樹脂メッキボタンの素材として最良のものとされています。非常に加工がしやすいので様々な加工法がありますが、ボタンの場合は射出成型の方法で量産しています。
金属の代用品として1970年以降の日本でも多く見られるようになりました。単体のボタンはもちろん、他の素材との組み合わせたデザインのボタンが多いのも特徴です。

Metal いつまでも放たれ続ける優雅な輝き

現在の金属釦の原料は真鍮・亜鉛などが主で、メッキのバリエーションも豊かなものとなっています。学生服や"紺ブレ"などでよく見られるボタンは、真鍮製のもので、型押しなどのプレス加工・切削加工がよく行われますが、よく延びる性質を利用しているためスムーズな加工が可能です。真鍮ボタンのほとんどはカシメと呼ばれる合わせボタンのタイプです。中身は空洞で表パーツと裏パーツを合わせる製法は真鍮の一つの大きな特徴です。
この真鍮よりもさらに細かなレリーフを表現する事が可能なのが亜鉛を使ったダイカストボタンです。こちらは真鍮の製法とは全く異なり、熱で溶かした液状の金属を型に流し込んで成型する方法がとられています。さらに、複雑なモチーフの場合はゴムの型に溶かした金属を流し込むラバーキャストなどの製法があります。日本のみならず海外でも、ユニフォームやブランドボタンとして多く使用されている素材です。

Nylon 布目調にも革調にも変身。表情豊かな芸達者

1960年頃からのボタンの新しい材料として注目されたナイロン。
石油から作られるポリアミド樹脂が原料になっています。インジェクション成型と呼ばれる製法が一般的で樹脂原料を金型に流し込んで形を作ります。
組み合わせものの需要にも応え、金属パーツを接着剤を使わずに同時に成型する方法もあります。多彩な表面加工が強みです。繊細な布目や革の表情の再現、柄や文字を刻んだものなど様々なアレンジが可能です。また、材料自体も透明やパール調など種類も豊富です。大量生産に向いており、比重が軽く、染色性が非常に良いのもこのボタンの良いところです。

Urea ユリアボタンはイタリアの職人芸のルーツ。

風格ある天然素材の"水牛"や"ナット"を堅牢度の高い樹脂で再現したユリアボタン。天然素材特有の味を生かしてプラスチックのボタンやバックルを作る為に開発されたユニークな素材です。
アイリスでは、イタリアから技術と設備を導入してこのボタンを製造しました。後から色を付ける事が出来ない尿素系の樹脂なので原料の段階で着色して水牛やナットの雰囲気が出るように色柄を組み、材料を板状に重ねるという独特の製法がとられます。これを長細く押し出してタブレットを作り、金型に入れて圧縮と加熱により成型を行います。
他のボタンの素材に比べて堅牢で、耐候性・耐衝撃性・耐薬品性・耐熱性に優れており、ボタンの素材として好条件を備えています。
大量生産に向いている素材の為、生産量も多く、様々な場面で活躍しています。

Shell 遥か遠く南洋の海からやってきた麗人

ボタンに使用される原貝は主に南方諸島に見られるもので、白蝶貝・黒蝶貝・高瀬貝・メキシコ蝶貝などがあり、ほとんど輸入でまかなわれています。 天然物なので生息地によって品質や等級が分けられています。
原料として最も多く使われているのは高瀬貝で、薄い表穴から裏足のものまでデザインのバリエーションも豊富です。蝶貝と呼ばれているものが平たい貝であるのに対して、円錐形の巻貝の形をしているのが特徴です。
マザーパールボタンの名を持つ白蝶貝は真珠層の持つ光沢がとても美しく高級なシャツやドレスで見る事が出来ます。
貝ボタンは長い間、手作りされていましたが19世紀に加工機が開発された事によって量産されるようになりました。貝ボタンの製造工程は樹脂素材と同じく面削機による表面の切削加工ですが、加工には独特の専門的技術が必要になります。

Nut アイボリーナットとも呼ばれる象牙色の素材感

南米エクアドル産のタグワヤシの実が原料のナット(椰子の実)ボタン。
表皮を削ると象牙に似た色の地肌が現れる事から、"アイボリーナット"や"ベジタブルアイボリー"とも呼ばれています。美しい木目と、艶もまた特徴の一つです。
加工方法は実は適当な厚さにスライスし、ボタンの大きさに合わせてくり抜き、さらに表面を削って表情を出して形にするというものです。最後に磨きをかけて光沢が出たらナットボタンの完成です。この加工方法はドイツ人によって開発・機械化され、長きにわたってドイツによって製造された後に、北イタリアに広まっていきました。紳士用として使用される事の多いボタンです。

Horn その歴史が人間との深い関わりを物語る

ボタン史の中でも骨・角・蹄(ひづめ)を素材としたボタンは起源が大変古く、古代に発明された木の実や貝に次ぐ歴史をもっています。
古代ギリシャ時代には、金銀とともに貴重な宝飾品でもありました。
角は輪切りにスライスしてからくり抜いて表面を加工する方法や、中空洞の角を切り開いて圧版状にして、それをくり抜いて加工する製法。
あるいは、そのまま角先をトグルボタンとして利用する方法などがポピュラーです。
19世紀の水牛ボタンには、素材をくり抜いてタブレット状にしたものに圧力をかけレリーフを浮かび上がらせる手の込んだ製法で作られた装飾的なボタンも登場しました。ナポレオンに携わったジョセフィーヌやマリールイーズもこのボタンに肖像が刻まれています。

Wood 素朴な美しさこそ太古の時代から愛される理由

木のボタンは太古の昔から現在に至るまで、長年作られ続けているボタンの一つです。種類としては柘植(つげ)、樺(かば)、黒檀(こくたん)、オリーブなどの一枚板を削ったり手彫りしたものと、薄い板を樹脂で積み重ねた合板製のものがあります。現在では、後者の製法のボタンが主流となっています。
合板に使う素材は樺(かば)やブナ、ラワンなどで、一ミリくらいの厚みの素材にフェノール樹脂を含浸させ、天日乾燥を半日、60〜70℃の温度で熱乾燥を三時間し、必要な厚さに成型していきます。仕上げの加工は樹脂素材と同様で、面削機での切削加工です。木目を生かして焼き加工して焦げ目を付けたものや、異素材との組み合わせをしたボタンもあります。木のボタンの色は一言に茶色と言っても様々で、天然素材ならではの美しさを感じさせてくれます。

Leather ワイルドな自然感覚、アウトドアの華

牛や馬や山羊の表皮を使用して作り上げられたボタンです。原皮はアメリカ、オーストラリアからの輸入です。皮はクローム仕上げとシブ仕上げの二種類に大きく分ける事ができますが、ボタンに使用させる材料は主にシブ仕上げで作られます。
皮は、それぞれのボタンのサイズに合うように裁断し、薄くはいで厚みを整えたものを職人が一つ一つ丁寧に編み上げ、型押しして成型する方法や、厚い一枚皮を型押しして成型する製法などがあります。
裏と表の質感の違いをデザインに取り入れたり、色付けしたものの表面を削り取ってトーンの違いを表現したものなど、皮のもつ独特の風合いをいかしたデザインが多く、様々な製法のボタンが19世紀に多く作られたと言われています。
現在でもコート用のボタンなどとして愛用され各国で作り続けられています。

Casein 乳製品から生まれた優しいミルク色

カゼインは1920年代後半、ドイツで機械による加工の自動化が開発されて世界中に広まりました。日本でも商標名を利用してラクトボタンなどと呼ばれ、1930年頃から生産され始めました。
材質となるカゼインの材料は、牛乳を原料としたレンネットカゼイン。カゼインは、立派な"乳製品"なのです。原料のレンネットカゼインに光沢や色柄を出す為に白顔料・パール箔・水などを混ぜて熟成させます。熱と圧力で材料を練り合わせたら、棒状や板状にして長時間乾燥させて表面加工の準備をします。"熟成""乾燥"などの行程を経て作り出されるカゼインボタンは多くの時間と手間と職人の愛情が必要なボタンなのです。
強度や耐薬品性などに優れ、染色性も良いのが特徴です。

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